JFX LIVE 切り抜き 2022.10.20 ゲスト山岡さん

JFX LIVE 切り抜き
この記事は約8分で読めます。

2022.10.20のJFX LIVE(YouTube)の中で、投資手法や中長期の見通しなど、何度も復習して見返したいものを抜粋しました。短期予想は鮮度が命なので取り上げていません。今回は、小林芳彦社長に加えて、山岡和雅さんをゲストに迎えています。

この配信の日にドル円が32年ぶりに150円を突破しました。しかし、翌日の10/21(金)の深夜に日銀介入があり、147円台半ばまで円高になっています。

なお、YouTubeのタイムスタンプ(再生開始時間)からJFXの動画にジャンプします。

オプション取引150円の攻防

150円ちょうどにノックアウトオプションがあるという話が聞こえていた。149円90銭台をずっと止めていたということは、防戦売りが相当数あったのかなという雰囲気がある。

ノックアウトオプションで150円が完全についた場合、買う権利がなくなってしまう。多分、バニラオプションというか、アウトよりも高いところのドルコールを買っていたのだろうと思う。

例えば、130円ぐらいの時に135円とか137円とかのドルを買う権利を買っていた。ただ、それだとオプションを買う値段(プレミアム)が高いので、150円にノックアウト条件を付けていた。(150円になると買う権利が消滅する。自分にとってマイナス条件を付けることでプレミアムを安くする)

ところが、150円がついてしまい、135円とか137円とかで買う権利が消滅してしまった。投機筋だけならいいが、日本の中小企業の輸出さんが持っていたという話もあり、本当に厳しい状況に追い込まれている。プレミアムというのは、ボラティリティが高いと値段が高くなる。今年は130円に乗ってきた時点くらいから、バニラオプションのドルコールがすごく高かった。

それで、仕方なく「ここ(150円)はさすがにつかないだろう」と思っていたのが付いてしまい、非常に厳しい状況になってしまった。

135円とか137円で買う権利がなくなってしまったので、買い直しをどこかでしなくてはいけない。多分、下がってきたら、買いたいという人がどんどん増えてくる。135円ぐらいで買う権利を持っていた人は、買わなくてはいけないが150円では買えない。

投機筋ならともかく、実需絡みだと生産計画も含めた経営計画に入っているので、下がるのを待っている人たちが増えてきていると思う。

輸入が買えていない。輸出は順調に売り上がって、結構、先物まで押さえている。社内レートを超えているので、待っていればどんどんコストが良くなるが、下がったらどうするという怖さもある。

大規模な介入があって、140円とかになった場合、手前でずっと売っていなかったら相当問題になる。会社員としてはできないので、輸出もずっと売り上がっている。

低い金利で資金を調達して、それをドルに換える円キャリートレードが下で出ていた。もっと買いたかったが、ガンガン上がって来て買えていない。輸入や円キャリートレードをやっているところは下がれば買いたいが、輸出は売ってしまった。

YouTubeタイムスタンプ 01:38

 

ニャフェット

オプション取引は馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、下記のザイFXの記事がわかりやすいです

【西原宏一が教える FXトレード戦略超入門】オプションを知れば節目がわかる!

 

売りからは危ない

売買比率を公開しているFX会社があって、それを見てもドル円のショートで捕まっている人が結構いる。介入期待売りだと思うが、どこまで上がるか分からないので、この手の地合いでそれは本当に危ない。

上手な人もいると思うが、売りから入るなら張り付いて見ていないと、放っておいたらどんどんやられていってしまう

YouTubeタイムスタンプ 06:18

10~30銭落ちる正体

一部ではステルス(覆面)介入だと言われているが、もし、本当にそうで10~30銭しか下がっていなかったら、「そりゃ上がるよね」という話になる。

介入するなら2~3円で、10~30銭の威力のないやり方をするとは思えない

後半で効かなくなることはあるが、もし、介入だとしたら、こんな無駄玉はない。

金融庁の定期ミーティングのニュースがヘッドラインで流れた。それをIAが勘違いして売ったけど、慌てて買い戻したとかそういった弾だったのではないか。

1日を通して下がっているのは、大口の利食いだったのではないかと思う。

介入がその中に混じっていてもおかしくはないので、10月末に発表される数字を見たい。

YouTubeタイムスタンプ 07:431:25:44

 

ニャフェット

前回の記事にありますが、財務省のホームページを見ると介入があったかどうかわかります。

2022.10.16「覆面介入はわかるのか?」

 

レートチェックとは何か?

昔は、人間のブローカーがレートを音声でアナウンスしていたので、モニターや携帯電話ではそれがわからなかった。そのため、日銀が銀行に電話をかけて、逐一、「今、一体何が起きているか?レートはいくらなのか?」とチェックしていた。

もちろん、今は、モニターもあるし、何が起こっているかもわかっている。

要は、実質レートを確認するのはもちろん、財務省や日本銀行が金融機関に対して現状の為替水準に警戒感があること示す

円安進行を非常に気にしていて、ドル買い介入することだってできるとアピールするために行う。

YouTubeタイムスタンプ 1:03:04

 

アメリカに関するポイント2つ

政策金利

11月、12月は0.75%ずつの利上げが予想され、3月くらいでピークを迎えると言われている。しかし、FRBの地区連銀総裁の中には5%で止める理由はないと話している人もいる。そうした動きが強まって、6月まで利上げが続くようならもっとドル円は上がるだろう。

 

中間選挙

11月8日にアメリカの中間選挙がある。今、上院は民主党が、下院は共和党が勝ちそうな状況になっている。現在は、両方とも民主党なので、ねじれが起きた時に財政で景気を浮上させるような動きができるかどうか。両方民主党が勝ったら、またドル高になるが、それはなくて恐らく下院は共和党が勝つと思う。

これは、バイデンさんが悪いわけではなくて、中間選挙は基本的に野党が有利なので勝つ。

そのことを考慮すると、ドル高が弱まるのが中間選挙以降になるのではないかと予測される。結果次第だが、両方とも共和党が勝ったら多分ドル円は下がる

YouTubeタイムスタンプ 1:17:40

日銀の介入は時間帯に関係なくいつでもできるのか?

ニャフェット

これについては皆さんの関心が高いようで、以前も同様の質問がありました。詳細については、下記のリンクをご覧ください。社長の回答通り、この配信後、10/21(金)の深夜に日銀介入がありました

2022.10.3「日銀はどの時間帯でも介入する可能性があるのか」

YouTubeタイムスタンプ 1:23:30

 

年末のドル円予想

ここまで金利を上げてくれば徐々に効いてきて、来年からアメリカの景気はスローダウンし、それから少し遅れてドルが下がり始めるだろう。

年内は、多分そこまで下がらないので、150円を超えてくると160円位まではっきりしたレジスタンスがない状態になる。オーバーシュートで155円とか157円とかもあり得る。

 

山岡さんの予想

個人的には、158円から160円位をひょっとしたらやるかもと思っている。

今、アメリカは、物価高の影響が大きい中で雇用が強い。他の国は、景気の鈍化を相当心配しなくてはいけないが、アメリカは雇用が強い。給料は5%台しか上がっていないので生活は苦しいが、仕事があるというのは全然違う。

年内で言うと、景気が他に比べてそこまで弱くなっていないので、利上げが続くとドルにお金が集まるという流れを考える。

中間選挙もあり、想像が非常に難しいが、上院民主党、下院共和党というメインシナリオで考えた場合、158~159円、オーバーシュートで160円あり位のところをイメージしている。

本来、2か月ちょっとで10円上がるというのはありえない。ありえない事が起こっているので難しい。普通に考えると2か月しかないし、年末は取引が減るので、155~156円で止まってくれないとおかしい。おかしいが、状況が変だなと思っている。

第一四半期の利上げ期待が、小幅ではなく0.5%とか大幅になると、160円を付けるパターンもあり得るかなと思う。

年末予想は、158円くらい

 

小林社長の予想

バイデンさんもドル高容認の発言をしており、G20などで何か言われてしまった可能性もある。中間選挙前に大規模介入でドルを押し下げるのは、厳しいだろうなと思う。

趣旨替えではないが、介入があると思っていたのが、入らないので、155~160円ゾーンをトライしに行く可能性が高いと思う。

YouTubeタイムスタンプ 1:19:271:29:30

 

ニャフェット

上記でも言ったように、この配信後、10/21(金)の深夜に152円手前で日銀介入がありました。今後の見通しに変更がないか注目ですね。

 

JFXは、毎週、月・木の18:00からYouTubeでライブ配信をしています。小林社長は、億トレーダーからも絶大な信頼を寄せられており、FXの神様みたいな方です。視聴者からの質問にも丁寧に答えて下さいますので、個人的には有料級の内容だと思っています。なお、この切り抜きは小林社長の許可を得て記事にしています。
小林社長のプロフィール
JFXホームページ
JFXライブ

コメント