2022.11.7のJFX LIVE(YouTube)を抜粋しました。今回は、ニックの記事はFRBがリーク?、欧州・NY時間開始時の注意点などを解説しています。短期予想は鮮度が命なので取り上げていません。
なお、YouTubeのタイムスタンプ(再生開始時間)からJFXの動画にジャンプします。
ニックの記事はFRBがリーク?
フェドウォッチャー(注)であるニックをうまく使って、一方向にドル高に傾きすぎないようにコメントを書かせている。ニックとパウエル議長の発言を時系列にまとめると以下の通り。
ニック:ドル高方向のターゲットがもっと上がるかもしれない
↓
ニック:利上げのペースは落ちるかもしれないと修正
↓
パウエル議長:利上げのペースが落ちるかもしれないが、金利の到達点はもっと高いかもしれない
要するに、タイミングを変えて2人が同じことを言っている。ニックは、自分の意見もあるだろうが、FRBから情報を得てリークの記事を書いていると認識している。これは、アメリカだけではなく、日本を含めてどこの中銀でもやっている。
例えば、昔から利上げをしたい時に、「当局が利上げを考えている節がある」と観測記事を書いてもらって、マーケットの反応を見ることがあった。今回も、ニックがFRBの意向を汲んで記事を書いていると思われる。
ニックについては、下記の記事を参照下さい。
冬時間に切り替え
冬時間、夏時間の切り替え時期
冬時間:11月第1日曜日(米国時間)から
夏時間:3月第2日曜日(米国時間)から
各市場勢の参入時間の目安
冬時間:欧州16時、ロンドン17時、NY22時
夏時間:欧州15時、ロンドン16時、NY21時
先月までは欧州勢が参加してくる欧州15時くらいから値動きがあったが、今月からは16時から動きがあると思った方が良い。冬時間の15時前後は値動きが平和。
日本時間の朝8時は、アシスタントしか来ていなかったり、ミーティングをやったりしているので、戦闘態勢が整っておらず、それほど元気よくトレードするとは思えない。
欧州・NY時間開始時の注意点
欧州時間開始時の注意点
クレディスイス時代の話だが、アジア時間で売ったり買ったりしていのが、だんだん現状レートぐらいでプライスが消えていき、欧州勢が来た時にいきなり15 pipsぐらいワープすることがあった。
欧州勢はよく「アジアの出しているレートはなんだ!俺のイメージはこうだ!」と水準訂正させたりする。当然、一発で飛ぶわけではないが、それまで小動きだったものが、ガンガン連打されてそこへ持っていかれる。
利が乗る事もあるが、逆に行ったら無茶苦茶やられるので、欧州勢が出てくる前にノーポジにしておいた方が動きやすい。やられたところから取り返すよりも、スクエアで、動き始めた時にそれに乗って行く方が良い。
YouTubeタイムスタンプ 29:51
欧州・NY勢 参入時の行動
よくあるパターン例は以下の通り。
アジアが売り過ぎて傾きがショートになっている
↓
欧州・ロンドン勢がそのショートのストップを狩りに来る(買い上げる)
↓
アジア勢のストップが付き跳ねる
↓
ニューヨーク勢が参入し、それまでのチャートを見る
↓
欧州・ロンドン勢がロングを持っているので売ってみるかと考える
要するに、欧州・ロンドン勢が買い上げたということは、基本、ロングになっている。それをニューヨーク勢が買ったら、欧州・ロンドン勢は美味しく利食って帰ってしまう。ニューヨーク勢からすると、高値圏でロングを掴まされて、ズルズル荷もたれを起こして下がって来た時に欧州・ロンドン勢がいないと最低のパターンになる。
だから、欧州・ロンドン勢がまだロングを持っている最中に、ストップがありそうなポイントまで売り下がる。そして、欧州・ロンドン勢に投げさせて、下がった安いところを買う。これは、アジアがショートに傾いた時に欧州・ロンドン勢がやることと一緒。
当然、欧州・ロンドン勢の中にも、ニューヨーク勢が来る前に、ポジションを軽くしたいと思っている人間はいる。
イメージ的には、広い運動場の中で盛大なパンク競争をやっているようなもの。欧州・ロンドン勢が入って来てすぐは、何か美味しいものがぶら下がっていないか探してバクバク食べる感じ。それで、ある程度食べ尽くして残りが少なくなってきたら、また、美味しいパンを求めて広いフィールドを走り回る。満腹になった時に、フィールドから出て行けばいいが、残っていたりすると、今度は、狩猟民族みたいなニューヨーク勢が満を持して入って来て、遠距離射撃で撃ち殺したりする。
一つ前のマーケットの値動きを真剣に追いかけていくと、次にこいつらが何をやって競うのかがおぼろげながら見えてくる気がする。
共和党勝利でトレンド転換?
共和党が勝つとドル下落に転換するみたいに言っている人いたのですが、選挙結果次第でトレンド転換するのですか?
例えば、財政出動で公共投資をし、財政赤字が膨らんだ結果ドル売りにつながる、反対に景気回復になりドル買いになる等、色々なファンダメンタルズの考え方がある。
今は、選挙結果というより、バイデン大統領の政策に国民が不満を感じており、現職大統領がいる党に対してネガティブな発想になっている。いつもは選挙に行かない連中が投票しに来るので、相対的に共和党にメリットがある。民主党に逆風が吹いている中間選挙だと思う。
YouTubeタイムスタンプ 36:37
ドル円 中長期見通し
アメリカは金利上昇継続なので、今後、年末、来年と引き続きドル高と考えていいのでしょうか?
基本はそう思う。日本の金利が上がらないという大前提があるので、黒田さん退任まではそのままだと思う。後任者がドラスティックに金利を上げたら、いきなり円高になるが、アメリカのようにガンガン0.75%も利上げするようなことはないだろう。
金利差が広がる方向であれば、基本は下がったら買うスタンスで良いと考える。
YouTubeタイムスタンプ 55:44
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