2022.11.17のJFX LIVE(YouTube)を抜粋しました。今回は、山岡和雅さんをゲストに迎え、年末のドル円予想及び注意点等を解説しています。ドル円が大暴落したため、10/20の予想から大幅修正されているので注意が必要です。短期予想は鮮度が命なので取り上げていません。
なお、YouTubeのタイムスタンプ(再生開始時間)からJFXの動画にジャンプします。
金利を加味したドルの底値
今、米国の10年債が、3.67%まで突っ込んだ後、3.73%くらいまで戻している。これが、もう1回、3.77%くらいまで上がってくれれば、140円を目指す展開になるかもしれない。
4.2~4.3%まで上がらないと、145円を目指す感じにはならない。
12月のFOMCも0.5%の利上げが、ほぼ、織りこみ済みになっている。ターミナルレートもおそらく4.75~5%の見通しが固まってきた。ただ、3.5%まで行くかというと、もう1つ材料が欲しいところ。金利は、天井感があるものの急落もない。
あと、0.5%であろうと、利下げではなく利上げ。来年の3月までは上がり続けるのではないか。金利差は広がる一方なので、押しは買いたいという気持ちは強いと思う。来年以降も利上げが続くということになれば、なかなか大きくは崩れないだろう。
ただ、151円台の高値の円キャリートレードは切らされた感じ。
YouTubeタイムスタンプ 10:17
投機筋の買上げと途転の見分け方
1回投機筋が買って、ダメだったら2回くらい売りそう。下がっても、もう1回上がると思ったら耐えるが、感触が悪かったら、買った瞬間にショートにひっくり返していく。
YouTubeタイムスタンプ 18:47
英 財政計画によるポンドの動き
イギリスの経済を考えると、そこまで引き締められるような状況ではないが、信頼性が落ちてしまっているので、財政赤字を膨らませないアピールをしなくてはならない。首相の交代でポンド買いを期待しているが、結構、織りこまれている。あと、財政負担を減らす形にしても、その分、国民の負担が増えて、結果的に経済がマイナスになり、上がった瞬間に落ちることもありそう。
公共料金の補助は進んでいるが、財政負担は残っている。経済状況から、減税の取りやめは出来ても増税は難しい。イギリスの物価上昇が11%を超えてきており、生活が相当厳しい状況になっている。金融を引き締めた方が良いと言いつつも、景気が大丈夫なのか心配もある。
内容によっては、瞬間に買われても、また、売られる可能性もあるので、最初の動きをよく見た方が良い。
YouTubeタイムスタンプ 39:59
ドル円以外でおすすめ通貨
ユーロはマーケットの流動性が一番高いので良いのではないか。あと、今だとポンド絡みが動いているので、チャンスが大きいと思う。
YouTubeタイムスタンプ 46:06
年末年始の注意点
- 12月のCPIとFOMCの結果で流れが変わる可能性あり
- 住居費関連は指標に遅れて出てくる(家賃が契約更新時にしか上がらないため)
- エネルギーなどの特殊事情を除くと全部の価格が落ちている
- PPIでドル円が137円台になったが、戻しが強くかなりショートが捕まったのではないか
- 12月は海外にある米系企業が利益を本国に送金するレパトリがあるためドル高になる
- 12月は流動性が低い中、クビになりそうなディーラーが一発逆転を狙って暴れるため相場が荒れる可能性がある
- 年始は、元旦のみ世界中が休み。1/2・3が休場なのは日本のみで、市場が薄いのであまりポジションを持たない。
YouTubeタイムスタンプ 1:00:47
年末予想(10/20から変更)
山岡さんの予想
135円位まで行く可能性あり
今回の消費者物価指数の弱さをどこまで捉えるかだが、さすがに、もう、織りこんでいると思う。12月初めの雇用統計まで、目立った下押しの材料がない。頭が重いだけでは、135円位までしか行けない。140円台が重い雰囲気になってくると135円位までやると思う。137.60円台(11/15の直近安値)を抜けてくる動きはあると思う。130円を目指せるかというと、今から8円下落は近くて遠い。ただ、CPIやアメリカの雇用統計が弱かったりすると大きく流れが変わる。
10月の雇用統計は、非農業部門がすごく強くて、失業率が悪かったのだが、あれは、調査方法が違うため。事業所ベースが良くて、家計ベースが悪かったので、マーケットが判断に困っている。本来、このような状況にすごく反応する小売が強かったので、悪くないという雰囲気になっている。しかし、12月に事業所ベースも悪化すると利上げの弊害が出ていると捉えられる。雇用統計がすごく悪く出た場合に注意。
150円台で買った人は、さすがに切っていると思うが、その下をまだ、持っている人はいると思う。その人たちが1回投げることによって、136~137円前半があってもおかしくはない。上方向には反応しづらくなっているので、下方向を警戒しているように見える。
YouTubeタイムスタンプ 1:09:25
小林社長の予想
137.50~138円位
135円を抜けて急落するためには、アメリカの長期金利が相当下がらないとダメ。それも、難しい状況なので、135円はかなり固く136~142円程度ではないか。
先ほども話したように、金利が4.2~4.3%まで戻らないと、145~150円はないだろう。下がったところで、日米の金利差が効いてくるので、円キャリートレードが出てきてもおかしくはない。
137.50~138円位でクリスマスを迎えるのではないか。指標と米債がともに悪くなると、下に突っ込む可能性がある。
YouTubeタイムスタンプ 1:10:52
米 利上げ減速でどう動く?
金利差拡大で、上を買い過ぎてしまったポジションがまだ残っている。長期金利は、4.3%ぐらいから大分下がったので、投機的なドル買い円安は収まって来た。「山高ければ谷深し」の方向で動いている感じがする。
米 利上げはいつまで続く?
ターミナルレートは、まだ、動くと思う。来年の3月までは、FOMCで0.25%になりながらも利上げ継続の可能性があるのではないか。
第3四半期からは、逆に利下げを意識していかないといけない。利下げが始まれば、ドルは130円を割込んで、125円の方向に行く。
これだけ金利を上げれば、アメリカの企業が疲弊し、治安も悪くなる。リセッションに陥るかが来年のポイント。リセッションする時に利下げを行うと、米株にとっては良い環境ではない。本来なら、利下げをすると株価が上がりやすくなるが、企業業績が良くないのなら、そうはならないはず。それなのに、みんな、そこに目が向いていないのが怖い。
YouTubeタイムスタンプ 1:26:54
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